• 胃など上腹部の痛み
• 下腹部の痛み
• 膨満感
• 差し込むような痛み
• シクシクする痛み

痛みのある位置や感覚、頻度や持続時間、腹痛以外の症状などによってさまざまな疾患が疑われます。
消化器疾患では、急性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、アニサキス症、胆石・総胆管結石、胆のう炎、膵炎、虫垂炎(盲腸)、大腸憩室炎、腸閉塞、S状結腸軸捻転、過敏性腸症候群などが考えられます。
消化器疾患以外でも、泌尿器科疾患(尿管結石・膀胱結石など)、婦人科疾患(卵管捻転・子宮外妊娠など)の可能性もあります。
症状に合わせて、血液検査、X線検査、超音波検査(腹部エコー)、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査などから必要な検査を行って診断します。

• 便秘
• 下痢
• 便秘と下痢を繰り返す
• 残便感がある
• 便が細い

急性・慢性、頻度、持続時間、他の症状などによってさまざまな疾患が疑われます。
慢性的な下痢では炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)や慢性膵炎、過敏性腸症候群などの可能性があり、急激な下痢ではウイルスや細菌による感染性腸炎が考えられます。
便秘や残便感は、機能性便秘や過敏性腸症候群などが考えられますが、大腸がんなどの深刻な疾患によって起こっていることもあります。また、便が細くなったという症状も、大腸がんや前がん病変の大腸ポリープによって生じている場合があります。
慢性的な下痢や便秘がある場合には、難病指定されている潰瘍性大腸炎・クローン病、大腸がんの可能性がありますので、大腸内視鏡検査が必要です。

• 便潜血
• ピロリ菌陽性
• 肝機能異常
• 胃X線検査異常

健康診断・検診、人間ドックは、自覚症状がまだない段階で病気を早期発見するために行われています。そこで異常や再検査を指摘されるのは、病気の可能性が高いということです。できるだけ早めに超音波検査(腹部エコー)、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査などを受けることで早期発見できれば、深刻な病気でも楽な治療で完治できる可能性が高くなります。あくまでも可能性ですから精密検査によって問題がないこともありますので、お気軽にご相談ください。

• 少ししか食べられなくなった
• 慢性疲労や全身倦怠感
• ふらつく
• めまい
• 頻脈などの貧血症状

食欲不振や食体重減少は、疲労や睡眠不足、ストレス、妊娠などでも起こりますが、疾患の症状として現れている場合もあります。
消化器疾患では、胃がん、大腸がん、膵がん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、ピロリ菌による慢性胃炎、慢性便秘など幅広い疾患が疑われます。
他にも、甲状腺疾患をはじめ消化器以外の疾患が原因で生じている可能性がありますし、服用している薬の副作用として生じている場合もあります。

• 胸やけ
• げっぷがよく出る
• みぞおちの痛み
• ムカムカする
• 吐き気
• 悪心
• 呑酸

こうした症状は逆流性食道炎でよく起こります。呑酸は、酸っぱいものがこみ上げてくる感じと表現される症状です。食後にこうした症状が起きやすい、長引く咳があるといった症状をともなうこともあります。
他にも機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia)、食道裂孔ヘルニア、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどが疑われますので、胃内視鏡検査で食道・胃・十二指腸粘膜の状態を確認する必要があります。

• 便に血が混じる
• 便が赤っぽい
• 血液と粘液が混じっている
• 黒い便が出た

鮮やかな赤い血液が付着している便以外にも、暗赤色の便、血液と粘液が付着した便、黒いタール状の便などがあります。色や量などによって、ある程度出血している場所が推測できます。またいつから、どのくらいの頻度で起こっていて、下痢・痛みなど他の症状の有無などによって可能性の高い疾患が変わります。
腹痛がある場合には潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患、虚血性腸炎、感染性腸炎などが、腹痛がない場合には大腸がん、大腸ポリープ、憩室出血などが疑われます。また、鮮やかな血液が付着している場合には、いぼ痔(内痔核)、切れ痔(裂肛)、直腸がんなどの可能性があります。直腸診、血液検査、大腸内視鏡検査などで診断します。
黒いタール状の便が出た場合は、食道・胃・十二指腸から出血している可能性が高い状態であり、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなどの可能性がありますので、胃内視鏡検査が必要です。ただし、貧血治療のために鉄剤を服用しているとこうした黒い便が出ることがあります。

• 飲み込みにくさ
• むせやすい
• 嚥下困難
• のどの違和感

逆流性食道炎で起こることが多い症状ですが、食道がん、咽頭がん、喉頭がんなどでもこうした症状が起こりますので、できるだけ早く胃内視鏡検査を受けてください。胃内視鏡検査では、食道やのど(咽頭・喉頭)の粘膜も詳細に確認できますし、組織の採取による確定診断が可能です。また、食道と胃の間が強く締まってしまう食道アカラシア、好酸球性食道炎など消化器内科でなければ発見が難しい疾患の可能性もあります。
さらに、狭心症でもこうした症状を起こすこともあります。また、嚥下困難があると誤嚥性肺炎や窒息などを起こすリスクも高くなってしまいますので、早めに受診してください。

• 尿が濃い
• 白目や顔色が黄色っぽい

皮膚や白目が黄色くなる状態で、尿の色も濃くなります。白目や顔色の変化を周囲に指摘されてはじめて気付く場合もあります。肝臓・胆のう・膵臓の疾患によって生じている可能性が高く、急性肝炎、B型肝炎・C型肝炎などのウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆管がん、胆のうがん、膵がん、膵炎、胆管炎、胆石・総胆管結石など幅広い疾患が疑われます。体質性黄疸という治療が必要のない黄疸もありますが、深刻な疾患の症状として生じている可能性がありますので、黄疸に気付いたらできるだけ早く受診してください。